ロコモティブシンドローム(ロコモ)にご注意

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?

運動器(骨、筋肉、関節、靭帯、腱、神経など)の障害によって「移動機能の低下」を引き起こした状態を指します。2007年に日本整形外科学会によって提唱された概念で、「立つ」「歩く」など日常生活での移動が困難になることで、要介護になるリスクが高くなる状態です。

ロコモティブシンドローム(ロコモ)になると?

  1. 筋力の低下

    特に下半身の筋肉が弱くなり、歩行や立ち上がりが困難になります。例えば、「最近疲れやすい」「足が痩せてきている」といった実感がある場合は、筋力低下によるものかもしれません。

  2. バランス感覚の低下

    「よろけやすくなる」「ちょっとした段差でつまずく」「家の中でも転びそうになる」など、バランスを保つのが難しくなります。バランス感覚は視力や三半規管とも関係しています。

  3. 関節の痛み

    膝や腰の関節部分に痛みを感じやすくなり、日常生活の動作が億劫になることがあります。

  4. 歩行の障害 歩幅が狭くなる、歩く速度が遅くなる、途中で休む必要がある、などスムーズに歩けなくなります。

  5. 立ち上がりや階段昇降の困難

    椅子から立ち上がる時や、階段を上り下りする際に手すりが必要になる、または一段ずつしか昇降できないなど、今までできていた動作が難しくなってきます。

  6. 日常生活動作の低下

    片脚立ちで靴下が履けない、布団の上げ下ろしがきつい、買い物の荷物が重くて持ち帰るのが大変、など生活の中での困難さが目立つようになります。

ロコモ度チェック①

ロコモ度のチェック方法は、いくつかありますが、まずは、「あなたは、片脚で40cmの高さの椅子から立ち上がれますか?」で試してみましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=w1Xn8ZqSyR4

https://www.youtube.com/watch?v=5B8RYzYA7Vs&t=3s

【出典:ロコモ チャレンジ! 推進協議会 公式Youtubeチャンネル】

  • 両脚で立ち上がれない → ロコモ度2の可能性
  • 両脚ではできるが片脚で立ち上がれない → ロコモ度1の可能性

ロコモ度1 移動機能の低下が始まっている状態です。 ロコモ度2 移動機能の低下が進行している状態です。 ロコモ度3 移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態です。

ロコモ度チェック②

ロコモ度テスト用紙を使って、ロコモ度を判定してみましょう。

ロコモ度テスト結果記入用紙

【出典:日本整形外科学会:ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト ロコモオンライン 】

ロコモティブシンドロームの予防

毎日の運動習慣とバランスの良い食生活が重要です。「片脚立ち」や「スクワット」は、自宅で簡単安全に行うことができ、おすすめです。

日々の生活の中で、階段を使う、一駅分歩いて通勤・買い物に行くなど、運動の要素を積極的に取り入れることもロコモ予防となります。

高齢化社会においては、「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「関節疾患」などが原因でロコモが進行し、介護が必要になることが増えています。進行すると転倒や日常生活の制限、寝たきりなどのリスクも高まります。予防や早期発見がとても重要ですので、皆さんもロコモティブシンドローム(ロコモ)に注意して下さい。